赤峰勝人さんの講演会より (2007.12.12)
大分で循環農法を実践され、全国で啓蒙活動もされている赤峰勝人さんの講演会は、
循環農法にいたるまでのこと、自然海塩の必要性、アトピーを化学物質を排除した食事療法で治癒した人たちのこと、
土と人の命の循環など、時にはジョークを交えて、優しく分りやすい言葉で話され、あっという間の3時間でした。
今までに、なんと6時間の講演もあったそうですが、どれだけ聞いても集中力が衰ないどころか、まだ聞き足りないと思うほどに、楽しくも濃い内容でした。
赤嶺さんの元で修行をされ、新城で循環農法を実践されている星さんご夫婦が呼びかけ人になって、
「神草」
農業高校で近代農業を学び、「トマトができれば、野菜づくりの名人」と聞いていたので、挑戦。初めてのトマトの発芽に感激した。
19歳で市場に出し、稼いでいたが、だんだん出来なくなっていった。
土が悪くなっているのが分らず、化学肥料や農薬が増え、ボロボロになって毎日が暗黒の日々だった頃、
一条の光明をもたらしてくれた、米沢先生に出会う。
土壌分析をしてもらったが、土はよくならない。
そんな時に、堆肥用に積んでいた雑草地で、みごとなピーマンが出来ていたのを見て、化学肥料がいらないことを知る。
作物は人間が作っているのでなく、浸透圧や光合成などの自然の力によってできている。
それから草に対する見方が変わった。
草(植物)は ミネラルをつくり出す
草(植物)は 雨を降らしてくれる
草(植物)は 食べ物と薬をくれる
草(植物)は 酸素をくれる
草(植物)は オゾン層をつくり出す
草は、そこに不足しているミネラルを作る。
カルシウムの足りない所に竹が生え、切り倒すと、ススキが生える。
そのススキを毎年刈り倒して置くと小さくなり、無くなる。
そのあとにスギナ。そして、ナズナ・カラスノエンドウ、オオバコなどの薬草が出てくる。
イネ科の植物が生えているところは、カルシウム欠乏。スギナやナズナは土づくりの主役で、珪酸カルシウムを作り出している。
この話を聞いて、会社の駐車場と石巻の畑を思い浮かべました。
スギナ・ナズナ・カラスノエンドウ、オオバコなどは、会社の駐車場にびっしりで、土中のミネラルが豊富ということになります。
雑草と共に自然農法といいながら、実は放任農法の畑には、イネ科のカヤツリ草などがびっしり生えます。
刈り取っても、刈り取っても、伸びる勢いに追いつかず、夏の終り頃になると、腰くらいの背丈まで伸びたカヤツリ草畑です。
当然、作物の育ちが悪く、来年は雑草との共生をどうしたものかと思っていたところでした。
カヤツリ草畑の対策は、種ができるまで育て、畑に鋤き込むのと、スギナ・ナズナ・カラスノエンドウ、オオバコなどを移植するといいとのアドバイスをいただきました。
もうひとつ、常識と思ってやっていた土壌改良の石灰ですが、石灰は石の粉で、酸性土を中和させてもカルシウムではないから、
pH値が上って一時的には良くなるものの、次は発芽しなくなるそうで、知らずして、「循環」を断ち切っていたのかもしれません。
赤峰勝人さんも、「循環農法」に辿り付くまで、化学肥料や農薬(農毒薬)漬けだったとか。
試行錯誤の中で、ある瞬間・・・間引いた土まみれのニンジンを眺めていて、宇宙の循環に気付いたのだそうです。
「神虫・・・虫は害虫ではなかった!」
無農薬野菜で、「虫がくっているから安心」と思われているが、完全堆肥で作っていれば、虫はほとんどつかない。
アンモニア態の窒素・・・一ヶ月掛かって未熟堆肥の亜硝酸態の窒素に(猛毒)・・・さらに一ヶ月たって硝酸態の完熟堆肥となる。
野菜を喰う虫たちは視力が無く、アンモニア臭で飛んでくる。
虫は亜硝酸窒素(猛毒)を含んだ苦い野菜を人間の代わりに食べて、さなぎから蛾になることなく、
人間を猛毒から守るという役割だけを終えて死ぬ。そして、畑に返すことで土のバランスを良くしてくれている。
完熟堆肥で育てたものは甘くなるし、虫も、外側だけしか食べない。
蚊やブヨも害虫ではない。酸性血液の人に、免疫を植えつけてくれる。刺されて化膿するのは、免疫を作ってくれている証拠。
正しい食事で、血液が弱酸性の人は、めったに刺されないし、刺されても何の変化も起きない。
蚊に刺される人は、果物、酒、甘いものを控えないといけないと警告をしてくれている。(まさに、蚊に刺されやすい私のことです)
野菜に来る虫も、旬ではない野菜、亜硝酸をたっぷり含んだ野菜しか食べない。
有機農法と循環農法とは違う。 循環農法は、草を生やして土に返す。
草79%・畜産廃棄物21%・・・この割合出ないと、完熟堆肥にならない。ちょっとでも臭いのする肥料は入れないこと。
「塩を摂ったら高血圧になるというのは、真っ赤な嘘!」
塩を摂ったら、高血圧になるといわれているが、人体にとって塩は不可欠なもの。
ただし自然塩であって、塩化ナトリウムの取り過ぎは、確かに病気になる。
血圧は、どうして上がるのか。
白米・砂糖・肉・魚などの酸性食品を摂り、野菜や海草を食べないでいると、
血液に粘りが出て、流れにくくなるので、心臓がポンプアップする。
塩はアルカリだから、酸を中和して血圧を下げるので、塩を使った味噌、醤油などの発酵食品を摂るのが良い。
米は酸性食品なので、自然塩で漬けた梅干を入れるとよい。
自然塩を使うようになると、血圧の上の心臓は早くに効果があるが、下の腎臓は一ヶ月くらいかかる。
塩切れの病気として、肝臓・腎臓・糖尿。夏バテ・熱中症も、ミネラル塩切れ。(ポカリスエットからミネラルは吸収されない)
花粉症の人は、塩化ナトリウムを摂らないこと。
植物は光合成+原始転換で、ミネラルを合成する→やがて枯れて、虫や微生物が食べて排泄する→
土となり土壌ミネラルを含んだ水が川から海へ流れる・・・海水は地球上の全ての成分が含まれてたミネラルのスープ→ミネラルを含んだ塩
人体の自然治癒力にはミネラルが不可欠で、海水は最高の薬。あせも・湿疹・怪我をしたときなど、きれいな海水につけると治る。
S46年に塩田法ができ、塩化ナトリウムというミネラルを含まない塩に変わってから、病気が増えた。
(塩化ナトリウムは、電気をかけ、塩酸や硫酸を使い、カセイソーダで中和された純粋な化合物「ニンジンから宇宙へ」より)
今、日本で売られている、天塩・伯方の塩・シママース(我が家の味噌にはこれを使用)などは、
外国の高い塩を買ってきて、炊き直した加工塩を自然塩としている。
(塩田法については、著書「ニンジンから宇宙へ」に詳しく述べられています)
質問より
●岩塩について・・・岩塩はミネラルが少ない。コスト面もあるが、調理法で使い分けるといい。
●天日塩と釜炊塩について・・・天日塩は、季節や天候で時間がかかる。美味しいと思う方を摂ればいいと思う。
●「なずなのレシピ」では、塩の量が多いのでは・・・・
一日の排泄量の同じて、日本人は18~20gくらいで、米や野菜を血液に転換するために必要。
汗が目に入ったとき、沁みるくらいがちょうどよい。
「アトピー性皮膚炎」
アトピー性皮膚炎は病気ではありません。
アトピー性皮膚炎は、人間が作り出した毒(化学合成されたもの)に敏感に反応して、その毒を外に出してくれる自然治癒力です。
アトピー性皮膚炎が取り除けないのは、誰も、本気でその正体を知ろうとしないからなのです。
目先のことで考えるのではなく、根こぞぎ断つことを考えれば、アトピー性皮膚炎が病気でなく、
自分で取り除けるものだということに気がつくでしょう。(著書「ニンジンから宇宙へ」より)
「アトピーを治してください」という女性が現れて、人生が変わった。
化学的なものを一切断つことと、薬を使わないことを条件に食事療法をすすめる。
1ヶ月目から効果が見え始め、3ヶ月で完治。それから、何人も来るようになった。それも重症の人ばかりで、天が使わしたかなと思うようになった。
医者に治らないと言われている人でも、現代医学では治らないが、ちゃんとした食事では治る。
ほぼアトピーの原因は石油製品・・・合成添加物、化学肥料、農薬(殺菌剤・殺虫剤・くんじょう剤・除草剤)で、
症状が出る場所によって、食べ物(農薬・化学合成されたものを含む)が分る。
顔・・・小麦粉の粉。輸入の小麦粉は、コクトウ虫が一斉に逃げる。小麦粉の粉を入れた瓶に虫を入れると2.3日で死んでしまう。
頬・・・さつま芋で、患部から黄色い汁が出る。きれいなさつま芋は、化学肥料漬け。
頭の中・・・果物
腕の内側・・・牛乳(息子たちはこれで、10代は牛乳を水のように飲んでいました)
お尻・・・合成甘味料。固いブツブツができる。
首の後側・・・インスタントコーヒー(長男は、象のような首でした)
手先や足先・・・養殖の魚
アトピー性皮膚炎で悩んでいらっしゃる方は、著書「ニンジンから宇宙へ」の購読をお薦めします。
「玄米の素晴らしさ」
農薬を使って5年目くらいから体が冷えるようになり、慢性的な体調不良で、体重も60kgが84kgまでになったんだそうです。
玄米を食べ出したら、夏の間、手に湿疹が出た(農薬が吹いた)が、体重が65kgに落ちて肩こりも治り、みるみる快適な体になり、今では疲れを知らないとか。
玄米には、植物性蛋白質、脂肪、糖質、繊維、カルシウム、リン、鉄、ナトリウム、ビタミンB1、B2、B6、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、フィチン酸など、たくさんの成分が含まれている。
玄米(無農薬・無化学肥料)を常食すると、便秘が解消され、余分な脂肪が落ちていく。内蔵の働きを高め持久力が出る。生体の持つ自然治癒力を高める作用が強い。
一度精米して白米にすると、有効成分が半分から10分の1くらいに減少し、胚芽が取り除かれるので、炭水化物の代謝障害が起き、疲れやすくなり、肥満しやすく、無気力になる。
玄米食(陰)に塩(陽)は不可欠。自然塩に含まれるマグネシウムが玄米酵素を活性化し、玄米を美味しくしてくれる。炊く時に、玄米一升に対して、自然塩20グラムを目安に入れる。
塩や醤油・味噌で味付けした野菜、味噌汁、梅干、漬物と一緒に食べて、酸性食品の玄米を中和させる。
一口50回は噛む。よく噛んで唾液の分泌を促し、腹八分目を心がける。(講演の内容に、「ニンジンから宇宙へ」の一部を捕捉しました)
以前、玄米に替えたことがあったものの、炊き上がりに時間が掛かるのと、美味しく炊けなくて挫折し、現在は胚芽米に雑穀を混ぜています。
今回の赤峰さんのお話と本を読んで、玄米食に、かなり心が動いています。玄米を美味しく炊くには、圧力鍋がいるかなぁとも。
「循環農法」
小学校六年の時に、お父様の耕運機の事故がきっかけで、お百姓になることを決心された赤峰さん。
農業高校を出たあと、近代科学農法の担い手として、化学肥料と農薬づけの農業に取り組んだものの、数年後には畑の土が死んで作物ができなくなってしまう。
失敗と挫折を繰り返しながらも、そのたびに出会いがあり、12年の長い歳月をかけて、無農薬無化学肥料を完成。
畑で間引いた土まみれのニンジンを通して、土の命と宇宙の循環に気付かれる。
その後、循環農法を伝えるために「なずなの会」を組織するかたわら、各地に赴いて、講演や指導をされています。
「無農薬の里」づくりをと、地元の大分県臼杵市市長からの誘いで、市の職員を3人受け入れて研修されているそうです。
最初は、いやいやだったのが、土に触れるのが面白くなって、だんだん顔が変わっていくんだそうです。
田植えの体験もし、1本植えなので、稲がのびのびと育ち、他の水田がウンカでやられても、この水田にはウンカが来なかったとか。
市長さんも、自ら、50年以上をかけて山づくりをしてきた方だそうで、循環のしくみに気付いた人たちの暮らし、杉と広葉樹が生い繁る美しい山々と、田畑の広がる光景が目に浮かぶようでした。
講演会が終わったあとも、赤峰さんのお話がこだまして、だれかれに伝えたくなる衝動に駆られました。
赤峰さんの講演会は、2008年1月20日(日)に長野県松本文化会館で、2008年4月12日には、静岡駅近くの男女共同参画センター「あざれあ」にて開催されます。
お近くの方は、ぜひぜひ、ご予定を立ててください。
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