秋晴れの風もおだやかな、月に一度の『カフェ創作室』は、ランチもお茶のお客様も、顔なじみの方や久しぶりに会えた友人だった。
お花の教室の生徒さんからいただいた、手作りの“栗の渋皮煮パウンドケーキ”に、スタッフの差し入れの和菓子など、味覚の秋も満喫。
中西さんのアトリエは、いろんな工夫やセンスの良い良い設えに、店内を見学されるお客様も多い。
何度か足を運んでいただいても、時々の模様替えは新鮮に写るし、暮らしのヒントにもなる。
オープンの準備がひと段落し、珈琲を淹れたあと店内をひとまわりすると、中西さんの活けた、存在感のある実?が目に留まった。
なんて花の実なんだろう。
『カフェ創作室』のシェフでもある Herbal Kitchen N さんから
写真は花の果実で、名前はニゲラだと教えていただきました。
ニゲラ(クロタネソウ)とは
ニゲラの仲間はおよそ15種が地中海沿岸~西アジアに分布します。その中でもニゲラの名前で普及しているのはクロタネソウとも言われる、ニゲラ・ダマスケナ〔N. damascena〕です。
ダマスケナは主に南ヨーロッパに分布します。秋にタネをまいて翌春に花を楽しむ秋まき一年草として扱うのが一般的です。草丈は60cm前後、葉は細かく裂けて細い糸状になります。茎は細かく枝分かれして、その先端に一輪の花を咲かせます。花は直径3cm-5cm、色は白、青、ピンクなどがあります。花びらに見える部分はがく片で、本来の花びらは退化して目立ちません。花は糸状の総ほう片に包まれます。
花後にぱんぱんにふくらんだ果実ができます。熟すと裂けて中から黒いタネが出てきます。タネにはアルカロイドや揮発性の油が含まれており、薬として利用されます。
日本には江戸時代末に入ってきたとされています。露地、鉢植え、切り花の他、ドライフラワーとしても利用されます。花色の濃いものや八重咲きで草丈の低いもの、大輪種などの園芸品種があります。