mico さんに誘っていただいて、内藤満里子さんのご自宅で昨日開催された「粽(チマキ)講座&まりこ先生の昼食付き」に参加しました。
満里子さんとは、岡崎でのインスタレーション「庭と家をめぐるアート展」(2007年)で初めてお会いしたのち、何度かお会いする機会をいただきましたが、ご自宅は初訪問です。
代々使われていたお道具や器や丁寧な暮らしを通じて、古くから伝わる和の文化を継承をライフワークとされている満里子さんのお住まいは、いろんな樹木や四季折々の草花などの緑につつまれた、目の前の公園を凌ぐ、自然豊かな景観でした。
建物の中へ足を踏み入れると、先代から使い込まれたであろう家具とお道具、お庭の草花をあしらったしつらえや、和室や茶室から庭への景色は、築38年ということを忘れさせてしまう世界があり、森の中に佇む古民家に居るような気配が漂っていました。
「人も植物も、そこに生息する虫や蛇たちと共生していることを気づかせてくれる」と仰る満里子さん。お昼ご飯で使った朴葉寿司の葉は、お庭から摘んだもので、暮らしに必要なものを植えてるのだそうです。
ケヤキの大きな蔵戸を運んで座卓にし、参加者が揃ったところで講座が始まりました。
まずは自己紹介からで、常滑、豊橋、幸田など、満里子さんの生徒さんだけでなく、いろんな縁とともにストーリーをお持ちの参加者でした。
故郷の鳥取から取り寄せたクマザサで餅を包んで粽を作る講座は、まず2種類の包み方の練習から。
餅を一枚のクマザサで包んで半折下後ろに、2枚の葉を当てて両端を手前へ(餅が出ないように)、そのあと上下に折ってつつむのが「ほっかむり」。
もうひとつは5枚の葉を使う「三味線」という包み方で、こちらは難しく、順番に練習用の葉で試し包みしました。
私たちの地域の粽は、包んだクマザサを折り曲げずに、上部で縛る形で、これも地域文化のひとつなんでしょうね。
※クマザサの名の由来は、やわらかい新葉が固くなる頃に、葉の縁が白くなり、それが歌舞伎の隈取に似てることからなんだそうです。
また、クマザサには防腐作用があり、包んで一度蒸したものを保存し、いただくときにまた温めるのだそうです。
粽は、それぞれの家庭の味があって、交換して味わうそうです。
いよいよ粽作りです。
材料を混ぜてこねて、60個分に分けて丸めたものを、さっそく「ほっかむり」3個、「三味線」2個包みました。
※材料/粳粉・もち粉(7対3)1キロ、砂糖200g、塩(量を忘れました)、水750ml(こねての調整)
「三味線」包みは、実際に餅を包むと、なおのこと大変でした。
出来上がった粽は、お持ち帰りです。
粽作りを終えて、お楽しみのお昼ご飯タイム。
やわらかい朴の葉に、すし飯と焼き鮭、薄焼き卵、紅生姜、エンドウを、みんなで包みました。
包み終わったころに、メインディッシュの焼き鯖(鳥取から搬送)が、蔵戸の上にドーンと!
そして、次々と運ばれてきた満里子さんの手料理が並び、なんとも豪華なお昼ご飯です。
デザートは、名古屋の名だたる和菓子店の、胡麻を使った羊羹(水羊羹風)です。
その後にも、冷凍しておいた手作りの干し柿(鳥取の渋柿で)は、お土産にというとこでしたが、少し解凍したところで、味わいました。
豊かな体験をさせていただいた「粽講座&まりこ先生の昼食付き」に名残り尽きねど、おいとまして帰路につき、帰宅してから、粽をセイロで蒸しました。
包み方がお粗末な「三味線」包みも、餅がはみ出ることもなく、さっそく味わったら、ほんのり甘い粽でした。(残りはジッパー袋に入れ、非常食として冷凍保存)
満里子さんのお宅でのひとときを反芻しながら、しばしぼーっとした時間を過ごして、昨夜は早めに就寝(寝不足続きだったので爆睡)。
一日遅れのまとめでした。