定年退職した時に車を手放し、息子が買ってくれた自転車で3キロちょっとのスーパーまで買い物したり、息子の車を週に一度借りて、所用や買い物を済ませたりしてたのが、その年の秋に転勤になった息子の車が使えるようになり、おかげで老後の暮らしに不自由していません。
それでもいずれ免許を返納する時が訪れるわけで、日々の生鮮食品などは自転車でも、かさばるものなどは息子の帰省時にまとめ買いし、宅配で済むものはどんどん利用してと思い描いています。
毎日の珈琲については、長いこと美味しい焙煎豆を購入してきたマインブロスさんが、今年春ごろから受け取りがご自宅になり、ついでの距離ではないので、自家焙煎も将来の選択肢に入れようと思うようになりました。
年老いても自転車で行けるお店があるし、通販という手もあれど、自家焙煎の動画を観てるうちに、いっそ自分でやってみようかと・・・です。
蔵酒なつめさんの『くらのほ』でも使っている来客用の電気式焙煎機は、アンティークなデザインと後始末のいらないのが魅力なものの、場所を取るだけでなく値段が高くて手を出せません。
多くのファンが動画にアップしているアウベルクラフトの遠赤コーヒー焙煎キットは、チャフが飛ぶものの、価格が手ごろなのと、電気式焙煎機と直火の手動式焙煎機で焙煎した珈琲の飲み比べを観て、私はやっぱり直火式の手回し焙煎機かなぁってことで、老い過ぎる前にトライすることにしました。
200g まで焙煎できるキットで、前もって『珈琲問屋』で注文してあったブラジルNo.2#18 の生豆を、動画で観てぜひやってみたかった「水研ぎ焙煎」に挑戦。
生豆を水に3分ほど浸してから、水がきれいになるまでお米を研いで洗うというもので、水に浸したあと研ぐと、予想外の水の濁りと埃臭さに驚きました。
お米は糠を落とすだけなので、せいぜい3回水を変えるだけですが、生豆は何度も洗いました。
動画では10分くらいとありましたが、他のブログでは「洗う時はあまり時間をかけすぎないよう」と。
ザルにあけて水を切り、さらにキッチンペーパーで水気を拭き取ってから生豆を乾燥させるための焙煎を、シナモンローストくらいで一旦火からおろして冷まし、それから本焙煎です。
焙煎機の手引書を参考にしながら、1ハゼ、2ハゼと進み、45秒くらいで停めて、素早くザルに出して扇風機で粗熱を取りました。
焙煎の好みは深煎りですが、出来上がりは中深煎りくらいになりました。
焙煎した豆はガス抜きした3日目からがと言われますが、焙煎したてが飲めるのは自家焙煎ゆえで、豆が冷めたところで挽いて試飲。淹れたてと温度が下がったころ、すっかり冷めた珈琲の時間経過を味わったら、本来の味とは違ったとしても、どの時点でも美味しい珈琲でした。
焙煎のプロのように、いつも同じ結果は得られないだろうし、YouTuber ほどマニアックにならずとも、高くて手が出なかったモカマタリが1kg 単位で注文すれば、かなり安く手に入るのと(来客が無ければ、月500g 程度消費)、水洗いの動画で知って注文したエメラルドマウンテン(モカマタリほどではなくて高級品)も、美味しければ我が家のスタンダードにします。
手回しの焙煎だと時間が長く感じられるのではないか・・・とか、周辺にチャフが飛んで後始末が大変なのではと思いきや、水洗いの時に生豆の皮が剥けるため、焙煎中に飛ぶチャフがさほど多くはないし、焙煎時間の長さも気にならず、水洗いのひと手間をかけながら続けて行こうと思いました。