「黄眞伊(ファンジニ)」(2006年)
朝鮮王朝時代の貴族である両班(ヤンバン)の父と、宮中で歌や舞踊を披露する芸妓である妓生(キーセン)の母の間に生まれた少女ジニ。妓生の娘は、生まれながら芸妓として生きることを運命づけられていたこの時代に、母はジニに自分と同じ道を歩ませたくないという思いから、幼い娘ジニを山奥の寺へと預けた。寺で育ったジニは生みの親を捜すために山寺を出る。そこで偶然見かけた妓生の舞踊に心を奪われる。そしてジニは生まれながらの舞踊の才能を次第に開花させ、運命に導かれるように自ら妓生の世界へと足を踏み入れていく。。
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ハ・ジウォン主演の「黄眞伊(ファンジニ)」は、妓生の衣装、映像、OST の全てが美しく、数々の舞も見どころになっている史劇ドラマです。
久々にまた、芸の道に生きたヒロインの愛と苦悩を描くドラマ「黄眞伊(ファンジニ)」を観ました。
ハ・ジウォンが実在した伝説的妓生ファンジニ役に挑戦で、なんといっても衣装の美しさと、それぞれのシーンでの舞に、深く感動させられたドラマです。
群舞を突然やめて去ってしまった仲間に、その場で立ちつくすジニが、両班の剣を取って即興で舞う「剣と鶴の舞」(14話)は鳥肌ものだったし、川を見下ろす崖の上で、旅立とを覚悟した行首ペンム(キム・ヨンエ)の「鶴の舞」(17話)はファンタジックで、そのあと崖から舞い降りてしまったとき、感情移入しやすいタイプの私は、ドラマと分かっていても心底驚いてしまいました。
また、~ジニが、その生を妓生として終えるために、ジョンハンの死刑執行をあざ笑うかのように行われた宴で最期の舞を舞う(22話)~シーンでの舞いとジニの表情に、心打たれ、涙、涙・・・
このドラマは、けっこう泣かせる場面が多いので、外出しない日に見るべしのドラマでした。
ドラマ「黄眞伊(ファンジニ)」を、より楽しませてくれる OST は、弦楽器中心のシンフォニックな曲が多く、こと群舞のシーンで使われてる軽快な曲「突風」と、スキャットも入ったドラマティックな「野花」(どちらも作曲オム・ギヨプ)は、私のお気に入りです。(イントロが少々長めです)
女楽の行首メヒャン役のキム・ボヨンは、映画「デゥエリスト」(韓国版・・・日本版は冒頭3分半ほどカット)でも、妖艶で怪しげな女の役をキム・ボヨンが演じていて、低いトーンの声が好きです。
行首ペンム役のキム・ヨンエと共に、味わい深い演技のできる女優だなぁと思いました。
女楽の行首メヒャン役のキム・ボヨン |
行首ペンム役のキム・ヨンエ |
ところで、妓生の衣装のコーディネートと彩りの美しさは、ドラマを見る楽しみの一つですが、両班(官僚)の衣装に黒い帽子(カッ)のいで立ちも好きです。
下の画像は「王女の男」Amazonプライム 6話でのパク・シフの、暗いボルドーとモスグリーンの衣装は、ワードローブに取り入れたくなる組み合わせでした。
カッ(갓)は、両班が頭にかぶる冠帽の一種です。
髷を保護する帽子だったものです。
頭を覆う部分であるモジャと、顔を覆うつばの部分であるヤンテから成り立っています。
19世紀には中人以上と既婚者だけがカッをかぶることができました。
身分の貴賎に従って、カッの材質は布、紗、毛などで区別がされていました。
またつばの広さも違うんだそうです。
人前で脱ぐのは失礼なことで、室内でも脱ぎません。
カッは略装の時に被る物で、外出着だそうですよ。
正装では紗帽(サモ、両方に装飾用の羽が付いている帽子)を被ります。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1170753696 より