Kさんにバッタリ出会ったのが数か月前。
お子さんたちが独立したのを機会に、ご夫婦が住まうためのリフォームする予定だったのが、小さな家を建てることになって、近々引っ越しとのことでした。
故・永田昌民さんの著書「大きな暮らしができる、小さな家」に傾倒したものですが、退職後は建築やインテリアへの関心が薄れましたが、小さな家には興味津々。
暮らしが落ち着いたらシークレット見学会をとのお誘い通り、共通の友人とともにご招待いただきました。

方向音痴ゆえに、しっかり下調べはしましたが、なんと時間を間違えて30分も早く着いてしまったのを、だいぶ経ってから気が付いた次第で、おかげで隅々まで見学させてもらいました。

 

三和土のような洗い出しの玄関に、緩い勾配の屋根と深い庇の一部2階建て(予備室)の住まいは、玄関や寝室の木製建具と格子網戸(夏の夜はこの網戸だけで休まれるとか)が全て引き込みになっていて、寝室の掃き出しは障子付き。
東西南北の解放した窓から風が通り抜ける設計で、動線の良さと収納の多さなど、そこかしこに暮らしやすいしつらえがなされ、住む人の要望を叶えた終の棲家らしい家だなぁと思いました。

漆喰壁の反射を計算されての最小限の照明計画がされていて、玄関はダウンライト、階段ホールはシンプルな電球型ブラケットがひとつ。
LDKは、通路も含んだリビングスペースにダウンライト2か所、キッチンもダウンライト2か所、ダイニングはペンダント(中村好文氏デザイン)だけで、今さらながら勉強になりました。

Kさんのカーテンに対する思いに、ご友人でもあるインテリアコーディネーターがアドバイスされたそうで、麻生地を使ったヒダのないカーテンが、自然素材の住まいらしいスタイルになっていました。

Kさんの息子さんのお嫁さんも交えて、使い込まれた大きな欅のテーブルでティターム。
お母さんから受け継いだという塗りの折敷にセンス良く盛られた珈琲とお菓子をいただきいながら、積もる話に花が咲き、居心地の良さもあって、ついつい長居をさせてもらいました。

 

Kさんとは、通った年代は違えど着付教室が同じだったこともあって、マルファクトリーの帯締めを贈るのが終活のひとつでした。
私好みの焦茶色がKさんの装いに合うかどうかは分かりませんが、ささやかなお礼も兼ねての手土産です。