The white lycoris which was in bloom near the field of a natural woodland.
里山の畑の近くで咲いてた、白い彼岸花
今週の本 「二十一世紀は江戸に学べ」池田武邦著
終戦直前、沖縄沖海戦に軍艦「大和」とともに「矢矧(やはぎ)」で参戦、九死に一生を得る。その時21歳で、その後を「余生」という。東京帝国大学建築科を卒業後、設計事務所入所。日本初の超高層ビル「霞ヶ関ビル」設計チーフとして活躍。その後「日本設計」設立。新宿三井ビル、ハウステンボス、ナガサキオランダ村など。
サブタイトル“科学技術文明を問い直す”というように、今年米寿を迎えた氏の反省の記録とのこと。現在は佐世保の大村湾に暮らす。
なにかの雑誌で紹介されてた本で、美しい装丁に惹かれ、書評を読まずして、図書館にリクエストした。
沖縄沖海戦で軍艦「矢矧」が撃沈され、顔にやけどを負いながら、重油にまみれた冷たい海原でさまよっていたときに浮かんだのが、子どもの頃に過ごした土佐の家だという。「子どもの頃、どんな環境で育ってきたかという原風景が、その人の人生観や行き方などの大きな影響を与える」と。終戦後、父親に勧められて大学へ。その時建築への道を歩んだのは、少年の頃に過ごした土佐の家だったとも。
・・・二年間の戦争体験から何を得たかと言えば「運命論」である。自分の意思で生きているのではない、生かされているという感じである・・・東大を受けたのも、建築へ進んだのも、日本設計をつくったのも、超高層ビルに挑んだのも、ハウステンボス計画で環境問題に真正面から取り組むもとになったのも、すべて自分の意思で計画的にやったことはまったくない。何かによって動かされたのである・・・
私が「生かされている」ということに気付きがあったのは、ちょうど3年前。
この本を手にしたこも、美しい装丁を通して何かに導かれたのかもしれないと思った。