目の前にしたモノに対して、形から入るタイプと、色から入るタイプがあるとすれば、私は後者で、まず色が目に飛び込んでくる。その色もグレイッシュトーンであれば、たいていの色相は受け入れられるが、彩度は低目が心地よく感じる。音で言えばハスキーな低音になるのかなぁ。

 

アトリエ創作室の中西さんにお借りした洋書の、古びたアースカラーが醸し出す世界に、ほれ込んでしまった。
撮影のためのセレクトだから、暮らすとなると私には重いけど、とにかく煤けたような配色がたまらない。
中でも、小さなキッチンのようなシンクコーナーに、目が釘付けになった。
扉の板目と取っ手がいいなぁと思いながら、我が家のキッチンの扉をリメイクしようとスケッチしたことを思い出した。

薄めの集製材を寸法通りにカットしてもらえば、金具と取っ手を付け替えるだけ。
すぐにでも出来そうだったけど、流し台の前の板も、棚も、床も、みんな焦げ茶色だから、キッチンはアイボリーでもいいかと、あっさり却下。なのに洋書のキッチンを眺めてたら、またムクムクとリメイク病が・・・
焦げ茶と壁の色とのコントラストがいいなぁと思いつつ、我が家の安っぽい合板の扉も、焦げ茶の中にあってモダンにも見えるじゃないと、ひいき目になり、やっぱり却下。