朝市のあと石巻の畑に寄り、本坂峠のルートで三ケ日へ向かったが、対向車線が大渋滞。
きっと東名高速で事故でもあったのだろうけど(実際そうだった)、ゴールデンウィーク真っ只中なんだなぁと思った。
お正月以来の『蔵茶房なつめ』の裏山が、新緑のグラデーションが美しく、むくむく、わさわさと表情豊かで、まさに「山笑う」という言葉がぴったり。
酒房で買物を済ませたあと、店主の夏目さんと談話。
夏休みの終わりに、「ふれあいの森公園」で開催されるサマーコンサートについては、昨年、『蔵茶房なつめ』の裏山で開催したフェスティバルのメンバー共に、年明けてから着々と準備が進められているそうで、そのストーリーが面白い。
もとは引佐郡が所有していた公園の有効利用を、浜松市へ合併した際にも依頼され、市民側の立場での提案を夏目さんが窓口になって動いている。
「ふれあいの森公園」は、3つの課が、それぞれの役割を担っていて、その一つ一つの課と交渉を続けているが、県が指定した自然公園だから、条例によって、ガチガチに規制されているという。
たとえば道路から100m、それも地図上の平面で100mは、木一本、草たりとて触ってはいけない・・・というような厳しい条例が立ちはだかり、手の付けようがないことを市の担当者の説明を受けた。
看板も原色はもってのほかで、使ってよい色が決められているとも。
それを聞いて、夏目さんは「いける」と思った。
実は、その公園の入口に原色の看板が立ってた。そのことを担当者に告げると言葉を失ったそうだ。
だいたい下草の手入れもぜずに、自然のまま放置すれば、森は荒れてしまう。
手入れしてこそ美しい森と公園が維持されると言うのに、机上の論理だけで、市民からのアイデアを汲み上げないのが一般の役人なのだ。
その後、違う担当者が来て、今は良い方向へと進んでるという。
市民が自己の利益のためでなく、公園が市民の憩いの場になり、活性化に向けて、夏目さんを頭に動き出している様子に、こんな人が、どの市にも一人いてくれたらと思った。
ほかに「わらの会」の活動の一環で、津波で被害を受けた岩手・陸中山田へ行くことになったという。
陸中山田には、猪鼻湖(蔵茶房なつめの前の)と同じような小さな湾があって、猪鼻湖と同じように炭素繊維を使って海水を浄化し、牡蠣の養殖にも役立てている。
そのことが縁で、震災後の支援活動を続けてきたそうで、近々三ケ日中学の生徒からのメッセージを届けながらの視察に、「わらの会」のメンバーと共に行かれるという。
夏目さんが取り持った浜松駅界隈のスーパーのその後のことなど、夏目さんの話題は事欠かない。
いつも思うが、どのことに対しても周りの人が楽しみながら、共に取り組んでるのが面白いし、すごいなぁと思うし、年に数回、そんな話を聞きに行くのが、私の楽しみごとのひとつにもなっている。
帰りのルートは多米峠だけど、三ケ日の町中も渋滞してたので、浜名湖レークサイドウェイから多米峠へ向かった。
そして、園芸店を2店舗で、ウィンドウショッピングよろしく、入荷した木々や花、苗などを見て回り、中玉トマトの苗とベビーリーフの種にスリット鉢を仕入れた。
最後はマイン・ブロスさんの珈琲豆を受け取って、予定通りの3時に帰宅。
今回は、注文の豆のほかに、新着サンプルセット(5種類)をプレゼントしていただいた。
3日間も珈琲を切らしてたので、まずはモカ・マタリを淹れ、朝焼いたノアレザンでティタイム。
そのあと、いただいたサンプル豆のうち、インド/アラク・エメラルドを淹れて味わったら、美味しい。
他に、東ティモール、ネパール、ウガンダ、ハワイ・マウイ島があり、珈琲の旅をも満喫させていただける。
こよなく珈琲を愛し、世界各地の珈琲を探求するマイン・ブロスさんが、その悦びを珈琲好きにお裾分けしてくださる粋なはからいに、感謝!
楽しみごととしての行動が、周りの人をも幸をもたらしてくれる利他的な生き方をされる人に恵まれているなぁと、あらためて思った一日だった。