「樋口可南子のきものまわり」 清野恵里子著 集英社 ¥2,700+税
娘の成人式となれば訪問着をあつらえ、嫁ぐ時には親が多少なりとも揃える。これは今の時代でも同じかもしれませんが、
私の場合は母親の経済的な事情と、私自身の関心が薄かったこともあって、着物には全く縁の無い時代を過してきました。 |
『樋口可南子のきものまわり』は、一話ごとにいろんなシチュエイションで構成され、可南子さんと交友のある人との逢瀬、お茶会を催したり、旅だったり、友禅や紬の工房や染めの吉岡幸雄さんの工房を訪ねたりで、
それに合わせての着物選びに、宮古上布、八重山上布に芭蕉布の帯、黒に近い無地の黄八丈、骨董市で出会った無地の結城紬、可南子さんの第2きものブームをつくったという伊兵衛織りなど、
帯や小物とのコーディネートがとっても素敵で、あらためて樋口可南子さんのセンスに惚れ惚れ。きものへの熱い思いが伝わってきます。 |