12月13日、渡辺貞夫さん50周年記念コンサート「My Dear Life」(名古屋芸術劇場)に、友人と行ってきました。
先行予約のおかげで、前から9列目のど真ん中! ラッキー!!!
客席を見回すと、聴衆の年代がいつもより高いような・・・熟年世代のご夫婦が目に付いたのは、50周年だからなの
でしょうか。貞夫さんのファン層の厚さが、うかがい知れます。
開演のアナウンスの後、誘導灯など全ての照明が落とされ、静寂と漆黒の“間”(ずいぶん長く感じた)を取った演出
は、いつもとは違う50周年ならではのコンサートを予感させました。
緞帳がゆるりと上がり、雲間からいくつもの光が射し込むように、天上からのスポットライトがポジションを照らし出し、
その美しさに思わす息を飲み込む。やがて会場からの大きな拍手に迎えられてメンバーの登場。黒っぽいスーツの
ダンディな渡辺貞夫さん、アラン・パスクァ (p)、デイヴ・カーペンター (ac-b)、ピーター・アースキン (ds)のカルテットで
往年のファンには懐かしの4beatの曲を演奏。ニューヨークでの事件を追悼し、関東大震災後、神戸市が貞夫さんに
依頼したという鎮魂歌を、アラン・パスクァのピアノがしめやかに奏でます。
今回のコンサートで一段と目を惹いたのは、光が織り成す演出効果でした。曲にあわせたライティングに、音と光の
芸術を堪能。特に幕開けのライティングと『My Dear Life』、そしてグリーンからブルーへのグラデーションが印象に
残りました。
2部のステージは、50周年の“50”を模ったモニュメント(これまでのアルバムタイトルがコラージュされている!)が
バックスクリーンに下がり、ガラッと雰囲気を変えて、貞夫さん、アラン・パスクァ 、ピーター・アースキンに、エイブラ
ハム・ラボリエル (el-b)、ロベン・フォード (g)、スティーブ・ソーントン (per)を加えたメンバーで、「カリフォルニア・シャ
ワー」 「モーニング・アイランド」 「オレンジ・エキスプレス」 「ナイス・ショット」など、貞夫さんの音楽との出会いで
もあるメドレー曲に、身も心もウキウキ。旅の途中でアジアの女性と結婚したという、パーカッションのスティーブは、
貞夫さんとは数多く共演し、アドリブが乗ってくるときまってダンスパフォーマンスを披露。またエイブやピーターとの
掛け合いがなんとも楽しいのです。貞夫さんのサックスも冴えています。
質の高いJAZZをたっぷり聴かせてもらったライブの最後、アンコールはソプラニーノでの『My Dear Life』。20年ほど
前に初めて聴いたコンサート“オレンジエクスプレス”でのアンコール曲も『My Dear Life』でした。あの時も手が届き
そうに近くの席にいて、聴くというよりは偉大なアーティストを観たという感動が重なって、涙が頬をつたいました。
ファンそれぞれの『My Dear Life』があり、目頭を熱くして聴いたのは、きっと私だけではなかったでしょう。
素晴らしい感動をくれたアーティストたちは笑顔を残して大喝采の中を立ち去り、ステージは静かに幕を閉じました。
今、50周年記念アルバムの「My Dear Life」を聴きながら、海外JAZZアーティストからのメッセージを読んでいます。
たくさんの感動と夢をわたしたちに与えてくれた貞夫さんは、また、共演するアーティストにとっても大きな喜びや影
響力をもたらした偉大なアーティストでもあったのですね。今さらながら、それを再認識しました。
昨年のリチャード・ボナとの共演も良かったし、セザールとのセッションもぜひまた聴いてみたい。これからもますま
すお元気で、JAZZを聴かせてくれることを願いつ、“感動”の贈り物に至福の時を味わっています。
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