「ビニールクロスは使いたくない」と聞いたとき、自然素の壁材がいろいろある中で、珪藻土を強く勧めたのは、珪藻土の良さと、素人でも塗れることを OZON のセミナーで体感したからです。
Na ちゃんちで使ったのは、日本ケイソウド建材(株)のエコクーンで、扱いやすさを考えて、練ってある『佐野の名水』の6番に、細かくカットされた藁すさを混ぜて使いました。この藁すさがいい味を出しています。

『佐野の名水』は、一箱(4袋入)で10u塗れるとこのと。Na ちゃんちは、階段室上部の手の届かない所以外の壁全て(納戸やクロゼット・物入も)と、洗面・トイレの天井の約170uを塗りました。 6畳の床面積が約10uですから、延べにして100畳ちょっと!。
練ってある珪藻土は、1,000円/u〜で、材料費だけでもクロス貼り2軒分が出来てしまうという、決して安くはない材料ですから、「仲間で塗ろうよ」と口説いたのであります。
ただし、にわか左官が大勢居ればいいというものでもなく、手が変ると仕上りもバラバラになるので、2階の納戸やクロゼットで練習して、一番うまい人がLDKを塗ることにしました。 その結果、Nao ちゃん上手でいい味していて、おまけに休暇もたっぷり取ってあったので、好都合でした。

珪藻土を塗る前に、額縁や床を保護するために養生テープを貼りました。珪藻土はアク(アルカリ分)が強いので、付着すると杉材が黒く変色してしまうゆえに、しっかりと養生する必要があるのです。 これが要の仕事で、塗装屋さんや左官さんによると、“養生が終ったら仕事がほとんど終ったようなもの”なんだそうです。
実際、思ったよりも時間がかかるのと、丁寧に貼ったつもりでもテープの粘着力が弱くて、珪藻土を塗る頃に剥がれてしまったりで、予想以上に悪戦苦闘の“養生”でした。
珪藻土を塗った後、乾く前に養生テープを剥すのもコツで、剥した時に浮き上がったところを濡れた刷毛で、スーッと抑えるときれいに仕上がるということも、壁塗りを終える頃に気が付きました。

塗り方はレギュラー5名、応援と飛び入りが数名参加。コテは各々が用意し、材料を乗せる板は、嬉しいことに左官さんが沢山作って用意してくれました。
以外と大変だったのが練った珪藻土をビニール袋から出す作業で、絞るように出しても残ってしまうのでした。ところが2.3日後に参加した Na ちゃんの職場のご友人が、珪藻土の入った袋をのし棒でしごいてからバケツ絞りに出し、 おまけに袋を切り開いて珪藻土をきれいに削げ取る“技”を編出したのです。
「すごーいっ!」と、思わず拍手! こういう智恵が頼もしい発見のDIYでした。

  

1月中旬の寒い季節でしたが、お天気さえよければ温室のような温かさの中で、Na ちゃんが用意してくれた手料理の昼食を味わいながら、珪藻土のDIYに自信をつけた面々は、筋肉痛やら仕上りの評価、はたまた「壁塗り部隊を作ろうか」などと盛り上がりました。 途中珪藻土が足りなくなって追加したために、1週間ほどの予定が少々延びましたが、思い出に残る“左官週間”でした。