県道75号線から735号線へと緩やかなカーブをいくつか超え、左手に芦ノ湖を眺めつ、新緑の山へと続き、すぐ上を大涌谷へ向かうロープウェーが走る山腹の「秀明館」に到着。
神宿る山にふさわしい佇まいの館内に案内され、画家でありデザイナーのY氏と引き合わせていただきました。
おだやかなお人柄のY氏は、「天山湯治郷」が建設される折、CI(Corporate Identity)とグラフィックデザインを担われたそうで、
館内にはY氏の絵画もありました。
近々「天山湯治郷」のHPをリニューアルするにあたって、四季折々の風景などを、
オーナーさんご自身が載せていくためにレクチャーをとのことでしたが、
オーナーさんとY氏の撮られた写真は、その必要がないほどに美しいのでした。
食事などを撮るときのポイント(自然光で逆光かサイド光)と、データを取り込んだあとの色調整のお話だけで充分でした。
知る人ぞ知る日帰りの湯治温泉「秀明館」は、自然湧出の温泉ゆえ、降雨量に左右されるとのこと。
源泉は高温なので、熱交換器で適温に下げて調整。塩素を使わず毎日湯を落とし、
界面活性剤のシャンプーも置かず、環境に配慮しています。(「天山湯治郷」も同様)
温泉の成分は酸性で、足利山の金太郎が目を患った時、山姥のお告げで治療したとの言い伝えもあり、
「湯治郷の瓦版49号臨時増刊号(天山に置かれていました)にも、逸話が載っていました。
大岩のしめ縄からも由緒あることが感じられ、私たちも靜かな気配の中へ身を置きました。
友人の「長湯は避けるように」とのアドバイスで、5分ほどのちに足湯して出たにもかかわらず、
まるでお酒に酔ったように(のぼせたのではなく)、ふわーっとした心持ちになりました。
縁あって継がれたオーナーさんによって、大正時代の外観を残しつつ改修された秀明館は、いくつかの休憩室があり、その佇まいも癒しの空間です。
山も、庭の野草も、そして秀明館も、あるがままに役割を果たしているかのようでした。
閉館間際(この季節は17時)だったのと、オーナーさんの山荘の見学や「天山湯治郷」への移動もあって、「秀明館」を後にしました。
なお、営業日や料金も含めての詳細は、「天山湯治郷」でお問合せの上、お出かけになることをおすすめします。
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