「二回とも月曜日に起こっているだろう? なにかがあって、学校や仕事に行き たくない者にとって、日曜日の次は嫌な日になるわけだ。だから、なにかを しでかしたくなる」 「うん、ぼくその気持ちわかるよ。今日なんか、朝もっと眠っていたかったもの」 「はっはっは」 トシを見て笑う松さんにつられて、ぼくも笑いがこみ上げた。 「月曜の朝にかけて、ちょいとうさぎの番をしてみるかな」 松さんはひとり言のように言って腕を組んだ。 「ぼくも、一緒に番をしてはだめですか」 トシは何だか、すごく乗り気だ。 「寝ずの番になるかもしれないから、君たちはだめだよ」 松さんに、ぴしゃりと言われた。 「うさぎ小屋の周りとか分からないことでも、ぼくたちがいれば役に立つよ。 なにもしないで見張っているだけだからさ、一緒にいてもいいでしょう?」 トシは、真剣に頼み込んでいる。 「ま、親ごさんの許可がでたら、いいとしようか」 声は優しかったが、松さんの目は笑っていなかった。 父さん母さんには、一も二もなく反対された。 「もし松井さんの言うように、うさぎ泥棒がいるとして、そんな捕り物のような 危ない真似を、大事な息子にさせるわけにはいかない。そんなことは、警察に任 せるのが一番」というのが、反対の理由だった。 そうだよな、もしかしたらとても危険なことかもしれない。松さんは、父さん たちの反対を、最初からわかってたんだな、きっと。 でも、トシは違っていた。 |