翌朝、ホテルで朝食を取って、9時頃にチェックアウトし、横浜で横須賀線に乗り替えて、北鎌倉へ向いました。
この時期は修学旅行生が多いと聞いていましたが、北鎌倉の駅に近づいた時、乗り合せた5人の女子高生たちは、「あ、ヤバイ、先生が居るんだよぉ」と、
おもむろにスカートの丈を降ろし始めました。 「このくらいでいいかなぁ」と言ってる丈でも充分短い。
辺りを見ると、他にも女子高生のグループが居ました。
北鎌倉で下車して、そのグループに同行するような流れで、鎌倉時代の執権・北条時宗の没後、夫人が出家して開き、かけ込み寺としても知られる「東慶寺」へ。
石段の両脇に植えられた、ツツジ・射干(しゃが)・開花を待つ紫陽花が出迎えてくれました。
とにかく樹木や花、山野草が多く、それも手入れが行き届いて、端正な美しさを醸し出しています。
このお寺は、岩煙草の群生でも知られているそうですが、開花にはまだ早く、今は射干が真盛りでした。
石仏に供えられたツツジの美しさに、ハッとさせられました。
岩煙草の群生を見ながら山の奥の方へ進むと、また射干に囲まれた石段があり
その上のやぐら(崖や山肌を刳り貫いて造った洞窟)に辿り着きました。
何百年もの時代を経て、丸みを帯び苔むしたお墓に、無宗教ながらも思わず手を合わせてしまう
そんな神秘的な空気に包まれていました。
「東慶寺」の散策を楽しんだ後、山門下の風情のある「喫茶吉野」に寄りました。
大屋根風の深い軒が陰影を創りだし、緑が三方から眺められる店内は、身も心も落着きます。
さすがに修学旅行生は入ってきません。観光客で賑う前の静かなティータイムを、ひとり楽しみました。
「東慶寺」のすぐ近くで、鎌倉五山のひとつの「浄智寺」へも足を運びました。
こちらは、北条時頼の三男宗政の菩提を弔うために創建されたお寺とのこと。
小さなお寺の山門付近は小学生の団体で賑わい、ウグイスも負けじと鳴いています。
「ホー、ホー、ホー、ホー、ホー、ホケキョッ!」と、珍しい鳴き方です。
そういえば、先だって伺った国島邸でも、「ホーー、ホケキョ、、、ケキョ、ケキョ、ケキョ、ケキョ」と、終りの方が長い鳴き方をしていました。
ウグイスも喉自慢大会をするのかしらんと感心していたら、カメラマン風の男性の口元が・・・なんとバードウォッチャーの擬声だったのでした。
石段を上がりきったところに、白雲木(はくうんぼく)という、白い花をつけた大木がありました。
散り始めた木の下の苔の上で、また咲いているかのようでした。
鎌倉での予定は、ほとんどお店巡りのつもりでしたのに、ふと寄ったお寺に興味が湧いてきた矢先、無情にも雨が降りだしました。
もうちょっと足を延ばして建長寺へもと思ったのですが、だんだん雨足が強くなり、『花仙』で「可麻久良最中」を買ってUターンです。
そして、北鎌倉駅の近くの「円覚寺」まで来た頃には、どしゃ降りになってしまい、ここもパスして電車に乗りました。
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