「茶房 日々」のこと (2008.5.1 Diaryより)

住宅地や周りの畑との、まるで結界のような、砂埃の舞う無舗装の道を、少し走って新緑の森の中の「茶房 日々」へ。
凛とした佇まいながら、なに人もやさしく受け入れてくれる、平屋の住まい、 “二人だけの図書室”、百日紅の木を背景にした“草の上の茶室”、どこを切り撮っても美しい住まいと庭の一体感、 心と体に、やさしく浸透する Macrobiotioc Sweet ・・・
その存在を知った今年2月から、思いを温めてきた私は、想像を越える感動に出会い、心震わせました。

荒れ果てたこの地、古い家にめぐり逢って十数年。
最初の4年ほどは、週末毎に通いながら、積もり積もった家の埃を払って磨き、部屋中の窓から見える景色を吟味し、樹木を選んで植栽をし、 客間から見える、大きな百日紅の木も、枝を誘引して、美しい姿に育てたのだとか。
土壁造りの古い家屋は、本物の木が使われ、建具などの職人技も見事で、 床桧板の汚れを拭き取り、磨いていくと、美しい板目の輝きが現れ、掃除することの感動に涙し、 家に育てられているのを感じたのだそうです。
好きなアーティストの家具や作品の居場所をしつらえて、住まいとしての形を整えることの歓びと思いを重ね、日々の暮らしを慈しんでこられた家人。
その住まいが、一年後には姿を消してしまう。そのことが決まった時、なす術もなく・・・(追記:この時点でのお話です)
そして、その哀しみから立ち上り、この古い家が放つ魅力を、訪れた人たちと共有できればと、昨年の12月にオープンハウスを。 今年1月から、月に一度、「茶房 日々」が開かれるようになりました。

わが街“浜松”には、こんな場がある・・・
そんなふうになればと仰るオーナーさん。月に一度の「茶房 日々」は、来年3月まで続けられる予定だそうです。