外壁の土壁は、中京地方でも指折りの左官の親方で知られるOさんの手仕事による素晴らしい仕上りとなっています。 写真では分りにくいかもしれませんが、解体前の古瓦をアプローチには文様的なデザインで埋め込まれ、巴瓦の丸い部分を玄関左手の衝立に、 雨落ちには、砕いた瓦と縦に埋め込んだ瓦とで縞模様を、そして塗り込められた瓦の粒が流星群のように美しい外壁など、有効利用されています。
玄関脇に活けられた草木と大きな壺が土壁を引き立て合い、巴瓦の線香立てにも、住まう人のセンスが偲ばれました。 右手の建物(ゆくゆくは工房に)も、木の建具と土壁と緑とのコントラストが美しく、 小さな森の中に家が存在しているかのような植栽が、「日本庭園」とは違った景色を呈しています。 建物左手の柿の木は、陽が落ちた後のシルエットが美しく、家の内外からも四季折々の彩りを楽しめるそうです。