古民家の再建にあたっては、ご主人がプロダクトデザインをされていることもあり、住み継いだ家への想いと拘りを持って、解体から三年近くの歳月の中で、職人さんたちと協議を重ねながら、工事を進められたのだそうです。 どの古材を何処へ使うかも検討し、大黒柱や上り框と式台、土間の天井板、敷居・鴨居や居間のアクセントにもなっているアーチ型の大梁、床柱を階段の廻り部分の柱にと、見える所見えない所も含めて随所に使い、 また、二階の部屋は、交流のあった和紙作家さんを講師にワークショップを開いて、和紙を皺加工してから貼るところまで、参加者と一緒に施工したとのこと。 離れも含めたメープル材の床板に、ご家族でアウロのワックスを少しづつ掛けたそうで、 ご主人が作られた土間のペンダントや食堂のアッパーライトなどの照明器具と、アーチ型の梁上に掛っている時計など、 “木と土と紙”で出来た家は、どこか「自給自足」の味わいが滲み出ていました。