「味噌」 (2007.7.2)
愛知県は、三河みりん、白醤油、豆味噌などの伝統が受け継がれていて、食文化がすごく良い。
■味噌の種類
米味噌 → 米麹+大豆・・・信州系・諸国などの味噌
麦味噌 → 麦麹+大豆・・・九州・中国地方・北関東
豆味噌 → 大豆のみ・・・・・愛知の八丁味噌など
※八丁味噌の言われ・・・岡崎上から八丁目(800m)のところで作っているところから名づけられた
◎米味噌・・・市場に出ている中で、圧倒的に多い。
甘味噌 → 塩分5%・・・西京・さぬき・府中
甘口味噌 → 塩分8%〜
中辛口味噌 → 塩分11〜12.55%(家庭で作るのは、このあたりが多い)
辛口味噌 → 塩分13.5〜16%
西京味噌は、大豆が熱いうちに麹を混ぜる。熟成期間が短い(2週間くらい)ので、上品だか、美味しくない。
熟成期間を長くする場合は、塩分を多めにする。塩分がゆっくり溶けて、コクがでる。(津軽味噌など)
◎麦味噌
麦の種類
大麦二条大麦(ビール・麦焼酎)
六条大麦(押し麦・・・麦茶・麦ごはん)
裸 麦(麦味噌・・・独特の香り)
小 麦(強力粉・中力粉・薄力粉)
ライ麦(寒い所で生産・・・ライ麦のパン)
燕 麦(オート麦・・・日本では作っていない)
■味噌の値段
材料の、米麹・大豆・塩で決まる。
「大豆」
愛知の「ふくゆたか」 60kg 9,000円
輸入(中国) 60kg 3,500円
北海道 60kg 2万円(種類によって違う)円
一番高い豆が、16万円(丹波の黒豆・3分上→9ミリ)
丹波の黒豆を、愛知で作ると、大きくて美味しい豆ができるが、価格は5万円にしかならない。
理由は、愛知は温暖なので丹波の色が出ないから。
丹波地方は寒いから、皮が締まる。
愛知産のは、水につけると皮が剥けてしまうが、皮に栄養がいかない分、豆にいくから美味しい。
「米」
輸入米か国産米かで違う。安い味噌は、輸入米や備蓄米(5年前んもの)を使っている。
増量材の大豆たんぱく(脱脂大豆・・・油を絞った粕)で、値段を下げる。
国産米使用と書いてあっても。輸入大豆である。
国産原料と書いてあったら、国産米、大豆を使っている。
「塩と天然醸造」
色と塩分は、まったく別物。豆味噌は黒っぽくても、12%で、しょっぱくない。
塩が慣れるのに時間がかかるものなのに、今の味噌は、「100日味噌」。
時間を短縮するために、加温する。加温した味噌は、天然醸造ではない。
「天然醸造」という文字が、一挙に消えた。
そのわけは、「天然醸造」を、50%以上入れないと、「天然醸造」とはいえない。
有機と書いてあれば、天然醸造。「自然の味」は、100%でないと「天然醸造」を使わせない。
真面目に作っている会社は、大きくなれないが、愛知には、たくさん残っている。
味噌は、「手前味噌」といい、子供の頃になにを食べてきたかで、回帰する。
ダシ入り味噌〜まがいもの
「食育」について、急に言われるようになったが、どんな栄養素のものをとか、ちゃんと朝食をと言っても、
添加物や遺伝子組替え等の話は出てこない・・・一種のカモフラージュではないかと。
「心太(ところてん)」
心太の原料・天草は、伊豆の東海岸(稲取・須崎)と西海岸、大島のものが、量が少ないので高価ではあるが、美味しい。
その次が紀伊で、安いものは、輸入品(モロッコ)だったり、他の海草を混ぜている。
良い天草は、特有の香り、粘り気が違う。
寒天には、棒寒天・糸寒天・粉寒天があり、天草100%で作っている寒天は、今の時代、稀有である。
昔は、天草を塩尻へ運んで、寒天を作った。
良い寒天の見分け方は、ぽっきり折れないことなどあるが、バイヤーが、かなり知っていないと分らない。
心太は、コンニャク屋さんが作っているので、意識レベルによって違う。
コンニャク芋の、のばし倍率は、地方によって違う。
板コンキャクで、愛知・40倍、静岡・35倍、関東・45倍、東北・50倍
糸コンキャクでは、35倍
広島産の在来種や和玉などあるが、その土地に合った品種がある。コンニャクの話は、いずれまた。
■他・質問など
丹波の黒豆の味噌はあるか
1,500円/kgくらい。緑大豆(越後産の出羽みどり・仙台みどり 2,000円/kg)の味噌は、すごく美味しい。
大豆は他に、黒大豆・・・光黒・函黒(きな粉)、赤大豆・・・エダマメが一番美味しい。
虎豆は、煮豆にすると美味しい。真中が黒くなった、くらかけ大豆も美味しい。
豆の種類は多いので、いずれまた実物を用意して説明する。
次回は、9月5日(火)PM7:00〜9:00 、 会場は『アイプラザ豊橋(勤労福祉会館)』です。
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